【自分の「足長」「足囲」に合わせ」】

靴を選ぶ、履く

コロナ禍もあり、電車やバスを避けて歩くことが増えた。足が疲れやすいような気がして、「足と靴と健康協議会」(東京)事務局長で上級シューフィツターの木村克敏さんに、疲れにくい靴について聞いた。

「正しい靴を選べば足は疲れにくくなる。まずは自分の本当の足のサイズを知ることが大切」と木村さん。靴が緩いと足の力が十分に地面に伝わらず、疲れやすいという。靴売り場の感覚では、ほとんどの人が「自分に合っている」と思い込んでいる靴は、実は緩いという。

足のサイズからかかとまでの「足長」と親指と小指の小指の付け根部分の外周の「足囲」がある。。足長は、かかとを壁につけ、最も長い指の先端部分の床に印をつけ、壁までの長さを測る。足囲は最も幅のある部分の外周で、立った状態で他の人に測ってもらうとより正確という。靴に合わせる靴下やストッキングを履いて測るのがポイントだ。

靴のサイズは、日本産業規格(JIS)で決まっている。「足入れサイズ」と呼ばれ、靴に合う足のサイズを表しているため、実際の靴は1〜2aの余裕をもってつくられている。欧米の靴だと、靴そのものの寸法を表しているものもあるという。

靴の足長はなじみの「23・a」など5_刻み。足のサイズのミリ単位は「二捨三入」「七捨八入」し、左右の足のサイズが違う場合、長い方で靴を選ぶ。靴の足囲は足の足長と足囲で決まり、A〜Fで表される。Eは「EEEE」まで4段階あり、計9段階(男性はGまで10段階)ある。

私も測ってみた。自称サイズは25・5aだが、靴下込みで25a。足長だけみても選んできた靴は緩いようだ。足囲は23・1aで、「C」にあたる。「平均よりかなり細い」(木村さん)らしい。

ネット通販で買う場合も、ここまでは知っておくとよさそうだ。ただ、同じサイズ表記でも、素材やメーカー、デザインによって靴の大きさは異なる。実店舗で履いてみるのが重要だ。木村さんは「靴はミリ単位の精度でつくられている。眼鏡を合わせるのと同じように選んでほしい」と話す。

お店で選ぶときは、必ず両足を入れて歩き、違和感があれば別のものを選ぶ。特につま先や爪の上に余裕があるか、土踏まずに突き上げ感がないかを確かめる。指の付け根部分のフィット感や、かかと部分が足についてくるかもチェック。合わせる靴下を躓くのは必須だ。「靴選びはむくみやすい夕方に」などと言われていたが、朝などにむくむ人もいるという。お店に入る前に10〜15分歩くのがオススメだそうだ。

同じデザインで同じサイズの靴でも、一つ一つのつくりが微妙に違うこともある。

せっかく正しく選んでも、正しく履かないと台無しだ。まず、パンプスでもスニーカーでも、靴べらを使う。使わないと、かかと部分がつぶれてしまうからだ。履いたら、かかとを地面にトントンと押し当てて密着させる。手の指を靴べら代わりにする人もいるが、指が入るのは緩い証拠だ。ひも靴は必ずひもを解いて、つま先側から締め直す。解かずに履けるのも緩いからだ。

木村さんは「合わない靴を長く履き続けると、疲れやすいだけでなく、足のトラプルにもつながる」と言う。親指が人さし指側に曲がる外反母趾などは、緩い靴のつま先が前に滑ることも原因だ。

シューフィッターは同協議会が認定する靴合わせの専門家の資格で、全国の専門店などに約3500人いる。協議会のサイト(http://fha.gr.jp)で探せる。(川田俊男)

 


(出典:朝日新聞、2020/12/19)

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