【手軽にしっかりと運動に】

なわとび

平らな場所さえあれば、どこでもいつでも1人でできるなわとび。手軽な割 にいい運動になりそう……。在宅勤務の合間にそう思いついて試した。あれ? 体が重い。10回も続かず、くり返すうちに息があがる。軽々ととんでいた子どもの頃を思い出したところで時間は巻き戻せない。基本から習うことにしよう。なわとぴの普及活動を行っているNPO法人「日本なわとびプロジェクト」の後藤廸廣(みちひろ)理事に教わった。

場所は、コンクリートや舗装した道は着地の衝撃が大きくなるので避け、体育館や公園などがよい。靴は、ランニングシューズなど底のしっかりしたものにする。とぶ前に、太ももなどを軽くのばして準備体操をする。つま先立ちでとぶために負荷がかかるアキレス獸をよくのばしておくことも忘れずに。寒くなり体が硬くなる季節はとくに念入りに行うとよいという。

準備が整ったら、最初はなわを使わず、こぶしで腰をたたきながら、その場でとんでみる。。体をまっすぐにしてわきをしめ、前を見てとぴ、調子をつかんだら、なわをもつ。

基本は、なわを前に回して両足でとぶ「前とび」や、かけっこのように左右の足で交互にとぶ「かけ足とび」だ。60回続けたいが、苦しければ10回でも20回でもよい。慣れてきたら手を前で交差したままとぶ「交差とび」や、1回とぶ間になわを2回回す「二重とび」に挑戦するのもよい。二重とぴのコツは天井からつり下げられているかのように、姿勢をまっすぐにすることだという。

くれぐれも無理は禁物。自分のペースでとび、疲れたら休む。呼吸が苦しくならず、会話ができる程度を目安にしよう。着地で痛めやすいひざは、内側に向かないように注意する。足が痛いと感じたら休む。

後藤さんは「1日目はきつくても、慣れてくると、とべるようになります。続けることが大切」と話す。毎日は無理でも1週間に3回程度は続けたい。慣れたら、3〜5分とんで休憩のセットを繰り返す。

また、「1人で続けるのがつらいと感じたら、スマホのアプリを使う手もありますよ」と、トレーナーのお手本動画を見ながら技にチャレンジしていくアプリ「JUMPSTA」を紹介された。

ついでに、なわとぴを使った体操も教えてもらった。4分の1に折つたなわで背中をねじり、半分か4分の1に折ったなわを使って肩をまわす。デスクワークの合間の肩こり解消によさそうだ。

国立健康・栄養研究所が公表している身体活動の強さでみると、なわとびはとぴ方によって安静にしている時の8・8〜12・3倍のエネルギーを消費し、時速8〜13`のランニングに匹敵する。

同志社大の柳田昌彦教授(スポーツ健康科学)は、生活習慣病の予防のために、筋トレのような「レジスタンス運動」とウォーキングやジョギングのような「有酸素運動」を組み合わせることを勧めている。なわとびは、高くとんで筋肉に負荷をかければレジスタンス運動に、高くとばず軽く走るようにとべば有酸素運動になるという。

「ただし、ひざを痛めたり血圧が上がりすぎたりしないように注意してほしい」と柳田さん。持病がある人は主治医に相談してからにする。転ばないように足元が安定してすべらない場所を選ぶことも大切だ。

コロナ禍でなわとぴの売れ行きがよいようだ。スポーツ用品のアシックスの「トビナワ」は6〜8月、昨年に比べて2倍以上売れたという。私もできるだけ続けてみたい。(瀬川茂子)



(出典:朝日新聞、2020/11/07)

戻る