【30代でもう動脈硬化リスク?】

コレステロール

太った。新型コロナウイルスによる自粛の影響で体を動かす機会が減った。緩んだ体を見て、コレステロールが気になった。付き合い方を専門家に聞いた。

コレステロールが高い状態を放っておくと動脈硬化のリスクになる。コロナで重症化した人には持病がある人も多く、予防は大切そうだ。コレステロールには善玉(HDL)と悪玉(LDL)があり、LDLが高いと高脂血症につながる。LDLの正常は140未満だが、私は160と結構高い。

現在34歳。身長171惣・体重65s。在宅勤務やつまみ食いなどが影響して舂から3sほど増え、夏以降に少しずつ運動を再開したもののなかなか減らない。BMIは標準の22・2で、もっとも高脂血症などになりにくいとされる数値だが、子どものときからコレステロールの値は高めだった。

日本人のコレステロールが比較的低いとされたのはもう何十年も前の話。食生活の欧米化か進み、2000年ごろには米国とほぽ変わらなくなったという報告もある。

「高コレステロールというと、太っている人や高齢者を思い浮かべるかもしれないが、必ずしもそうじゃない」。慶応大の福田恵一教授(循環器内科)は言う。原因は、食事をはじめとする生活習慣だけでなく、家系や体質の影響があるとも言う。

30代前半のある男性は薬でコレステロールを管理している。標準体形で外食は控えめ。定期的にジムで体を鍛えているのに…。だが「そういう人は少なくない」と福田さん。小さいころからコレステロールが高めで、食事などにいくら気をつけても落ちづらいという。この話を20代のやせ形の同僚にすると、「自分もそうだ」と言っていた。実は意外と多いのかも。

遺伝性の病気もある。家族性高コレステロール血症だ。岩手医科大の石垣泰教授(糖尿病・代謝・内分泌内科)によると、患者のLDLは子どものときから平均230ほど。「生活習慣や体形には問題ない人が多い」と石垣さん。原因遺伝子を親から受け継いでいる人は500人に1人と推定される。「生活習慣病というと、生活習慣を変えれば何とかなると思う人もいるがそ うではない。体質的にLDLが高ければ、生活改善で下がる可能性は低いだろう」

では、どうすればいいのか。第1選択となる薬はスタチンだ。体内でのコレステロールの合成を抑えることで、血液中のコレステロールを減らす働きがある。ただ、私には中高年の人がのむというイメージがあり、30代から予防的にのむのには少し抵抗感もあった。ただ、福田さんは「一般的には40代でのみ始める人が多いが、20代や30代でのむ人もたくさんいる」と言う。若い うちに高脂血症を指摘され、早めの治療を始めている人が少なくないという。

のみ始めると、効果はすぐに表れた。1ヵ月後の血液検査でLDLが72に落ちた。副作用として注意したいのがクレアチンキナーゼの値だ。ふくらはぎなどに痛みが目立ったり、脱力感があったりした場合は医師との相談が必要だ。

この先もずっとのみ続けなければいけないのか? 福田さんは「体質で高いとなると、薬をやめるのは難しいかもしれない」と話す。一方、大人になって高くなった人は食事などを改善することで薬をやめることができる可能性もあるという。「LDLが140〜160は赤信号。健診で指摘されたら、一度医療機関を受診して」

赤信号だった私は、薬で値は下がった。ただ、薬に頼らない生活を目指し、食生活の改善や運動は続けたい。(戸田政考)



(出典:朝日新聞、2020/10/03)

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