【日焼け止めと衣服で効率よく】

子どもの紫外線対策

子どもの紫外線対策が重視されるようになって久しい。けれど、まだ意思の疎通が難しい幼い子の保護者にとって毎日のケアは手間がかかる。正しい方法で効率よく対策をとりたい。

3種類ある紫外線のうちUVA(紫外線A波)は、肌の奧深くまで届いて主にしわやたるみの原因になる。UVB(紫外線B波)は、肌の浅い部分に届き、日焼けやしみ、皮膚がんなどの原因になる。

環境省の「紫外線環境保健マニュアル」によると、4〜9月に年間の約70〜80%の紫外線を浴びている。午前10時〜午後2時に浴びる量は、夏で1日の約70%、冬は1日の約80〜85%を占めるという。

このため、赤ちゃんを外の空気に触れさせる「外気浴」は、なるべく午前10時〜午後2時ごろを避けるのが一般的だ。けれど、成長とともに動きが活発になったり、保育園などに通い始めたりすると、昼間に屋外で過ごす時間は格段に長くなる。

神奈川県立こども医療センター皮膚科の馬場直子部長は「大人も子どもも日焼け止めの使用が対策の基本」と話す。

日焼け止めの効果を示す「SPF」はUVBに対する指標で、「50十」が最大。。数値が高いほど効果が続く。「PA」はUVAに対する指標で、「十」〜「十十十十」の4段階あり、十が多いほど効果が高い。馬場さんは「子どものふだんの外出ならSPF20で十分。「子ども用」や『アレルギーテスト済み』などの表記があり、紫外線吸収剤が入っていないものを選んでほしい」と助言する。

顔に塗る場合はクリーム状ならパール粒大、液状なら1円玉大の量が目安で、塗りむらを防ぐために同じ量を2回塗る。外出の15分ほど前に塗ると肌になじんで白さが目立ちにくいという。汗をかいたり手で触ったりすると効果が弱まるため、2〜3時間おきに塗り直す。

日焼け止め以外の対策も合わせて取り入れたい。日本臨床皮膚科医会と日本小児皮膚科学会が2015年に公表した学校や保育園、幼稚園での紫外線対策に関する統一見解によると、7aのつばがある帽子は紫外線を約60%カットできるという。衣服は七分袖や襟付きなど体を覆う部分が多く、織り目や編み目がしっかりした木綿か、ポリエステルと木綿の混紡素材のものを推奨している。生地の色は渙い方が紫外線を吸収するが、熱中症を防ぐためには淡い色のものがいいという。

紫外線は皮膚だけでなく、角膜の炎症や白内障などの目の病気も引き起こすが、プラスの役割もある。紫外線を浴びると、体内でビタミンDがつくられるからだ。ビタミンDは腸管でカルシウムの吸収を助ける大切な栄養素で、魚や牛ノコ、卵に多く含まれるが、通常の食事だけだけでは十分に摂取できない。例えば、食物アレルギーで食事に制限がある乳幼児が、ほとんど外気浴をしないような生活をしていると、ビタミンDが不足する恐れがある。O脚などをきっかけに骨の発育が不十な「くる病」と診断される子もいるので、注意したい。

紫外線の強さは地域や時間、天侯などに左右される。紫外線の人体への影響度を示す国際的な指標「UVインデックス」は、値に応じて「日中の外出はできるだけ控える」といった行動の目安が決まっている。気象庁はウェブサイト(https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvindex/)で、全国のUVインデックスの予測値を公開しており、外出時の参考になる。

馬場さんは「完璧な対策を求めると、親だけでなく子どもにもストレスになる。『紫外線を少しくらい浴びるのは仕方ない。できるケアはしよう』と考えるくらいがちょうどいいのでは」と話している。(南宏美)


(出典:朝日新聞、2020/06/13)

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