【こまめに観察、対話の楽しみ】

観葉植物のある暮らし

思ったように外出できなかたこの数か月。せめて部屋の中で緑を感じられたら……と思う人も多いのでは。そんなとき、間近かに成長を感じられ、心に安らぎをもたらしてくれるのが観葉植物。共に暮らすコツを紹介します。

まずは、植物を育てる際に心構えを、進化生物学研究所の研究員、橋詰二三夫さん(45)に聞いた。共同監修した「はじめての観葉植物手入れと育て方」(ナツメ社)では管理の基礎を詳しく紹介している。一番大切なのは「植物をよく観察することで、コミュニケーションを採ること」。水やりの頻度一つとっても、植物の置き場所や土の配合で違ってくる。「マニュアルは情報の一つ。土や葉っぱの状態をよく見てことが、適切な管理につながります」

観葉植物は、園芸店のほか、ホームセンターやネット通販でに手に入る。大小さまざまな種類があるが「自分がビビット来たもの育てるのが一番」と橋詰さん。愛情があればこそ、手をかけて育てられる。

なかでも初心者に育てやすいものを挙げてもらった。一つはポトス。葉っぱの色や模様のバリエーションも多く、おなじみの植物だ。そしてハートカズラやグリーンネックレスといったつる性の多肉植物。また「虎の尾」とも呼ばれるサンセベリア。これらは丈夫で、伸びた部分を刈り込むことで、形のコントロールがしやすい。差し芽などで増やしていくこともできる。一方、アジアンタムなどシダ類の植物は、こまめに湿度を保つ必要があり、やや上級者向けという。

自分の部屋の環境を知り、場所に合った植物を選ぶこともポイントだ。日照や湿度など、植物にはそれぞれ好みの環境があり、適した条件であればより育ちやすい。「植物はしゃべってくれませんが、成長で応えてくれる。コミニュケーションの楽しみがあります」

せっかく育てるのなら、室内を彩るおしゃれなインテリアとしても楽しみたい。豊富な草花のほか、アンティーク雑誌などを扱う園芸店「グリーンギャラリーガーデンズ」(東京都八王子市)の堀田裕大(やすひろ)副店長(31)に、コツを教えてもらった。

「気楽に始められるものとしては、場所を取らない小さなものがおすすめです」と堀田さん。例えば、ポトスなどの小さなポットを、ホルダーを使って壁にかけたり、天井からつるしたりすれば、場所を取らずに飾ることができる。また、土がいらず霧吹きなどで水を与えて育てるエアプランツは、そのまま棚に置くだけでおしゃれなインテリアになり、壁に取り付けるホルダーなども売り出されている。透明な容器に寄せ植えした「パルダリウム」は、小さな庭のように鑑賞できる。

室内のインテリアに合わせた鉢カバーもおすすめだ。買ってきたままのプラスチックの鉢のままでは味気ないが、気に入ったカバーの中に入れるだけで、がらっと雰囲気が変わる。八の上部を覆うタイプもあり、テーブル代わりにも使える。

堀田さんによると、「今は、観葉植物を買うのに一番おすすめの時期」という。観葉植物は熱帯や亜熱帯原産のものが多く、これからの季節は植物が最も成長する時期でもある。育て始めるのに失敗も少なく、持っている植物を挿し木などで増やすのに適している。また、母の日を過ぎたが月中旬以降は、市場に出回る観葉植物の種類が増えるという。

「部屋に緑があることで、心が和み、家族の会話のきっかけも増える。空位を入れかえたり、湿度を保ったり、植物に心地よい環境を作ることが、住まいの環境を整えることにもつながる。ぜひ、お気に入りの一鉢を見つけてほしい」(松本紗知)



(出典:朝日新聞、2020/05/30)

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