【肌いきいき、明るい印象に】

スキンケア・メイク

若いころと同じようにスキンケアやメイクをしても、なんだかさえない。こんな悩みを持つ中高年は少なくない。年を重ねてもいきいき、明るい印象にするコツは?

「外見の魅力は誰にでも必ずあります。荒れた畑に水や太陽の光を与え、耕すと緑が芽吹くように、手入れをすればお肌はこたえてくれます」

そうにこやかに話す美容研究家の小林照子さんは、84歳の今もつやとハリのある肌にナチュラルメイクがはえる。「メイクもマイナスと思っている部分をプラスととらえると、新たな発見があります。いくつになってもあきらめないで」

理想の肌の状態を、小林さんは「うなはだけ」と表す。潤い・なめらか・ハリ・弾力・血色の頭文字からつくった言葉だ。おふろ上がりの肌の状態という。特に、いきいきした肌に見える決め手は血色の良さ。そのためのスキンケアとして薦めるのが、「蒸しタオル洗顔」だ。熱と蒸気の力で毛穴をゆるめて汚れを引き出し、血液やリンパ液の循環をよくし、新陳代謝を高める。

おしぼりのように巻いたタオルを水でぬらして軽く絞り、電子レンジで500ワットなら1分弱を目安に加熱する。手でやっと持てるくらいの熱さが基準だ。やけどには注意を。クレンジングクリームなどでメイクを落とし、顔をタオルでおおい、約30秒蒸らす。タオルのきれいな面で汚れをふきとり、化粧水や乳液などでひきしめる。毎晩が理想だが、週1回でもいい。継続が肝心。男性にも薦めているスキンケアだ。

メイクで欠かせないのがチーク。サーモンピンクなどローズカラーがお薦めで、ほおの一番高い部分から顔のサイドへ横長に。こめかみに向かって入れると、特に中高年はほおがこけて見えかねないという。

そして、血色と同じくらい大事なのが眉の形だ。眉の下側と上側になだらかな曲線を描くとほほえんでいるような明るい印象になる。

小林さんが主宰するメイクスクールに通う多田訓子さん(58)は、40代から目尻が下がってきたのがコンプレックスで、カバーするため眉を上げて描いていた。ところが小林さんは「キツイ目もとになり、かえって目尻が目立ってしまう。むしろ、その目は愛らしく柔らかい雰囲気を醸し出す魅力」と、多田さんの眉毛を曲線に描いた。多田さんは「眉毛ひとつでこんなに変わるとは。はじける気分です」とほほえんだ。

男性はどうすればいいのだろう。男性美容研究家で総合情報サイト「オールアバウト」のメンズコスメガイドの藤村岳さん(46)は「ヒゲそりで肌を酷使しがちな男性も肌の手入れは重要。きれいになるというより、身だしなみを整える感覚で、まずはスキンケアから始めてみましょう」。

ポイントは洗顔と、洗いっぱなしにせず化粧水などで潤いを与え、最後にクリームなどで保湿すること。洗顔は、洗顔料を泡立て、熟れたモモを触るように人さし指、中指、薬指の3本で優しく洗う。ゴシゴシ上下にこするとたるみの原因にもなりかねないためだ。顔を拭くときもタオルでこすらないように。化粧水はしっとり系を選び、優しく手で押し肌になじませる。

77歳の藤村さんの父親は、藤村さんの薦めで10年ほど前からケアを始め、今では習慣に。ゴルフに行く時も日焼け止めを欠かさないそうだ。

「ハミガキと同じ感覚でスキンヶアを生活にとり入れることは簡単。70代や80代からでも遅くはありません」と藤村さん。どんな化粧品が自分に合うかわがらなければ、妻や娘が化粧品を買いに行く時に一緒に行き、店で相談したりサンプル品から試したりするのも一法だ。ケアを楽しむ心の柔軟さが、若さを保つことにもつながるという。(森本美紀)



(出典:朝日新聞、2019/06/29)

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