【リスク厶整える工夫色々】

さあ大型連休。ふだん睡眠不足のぶん、 「寝だめ」しようと思っている人も多いのでは。一方、日常的に寝付きが悪かったり眠りが浅かったりして悩む人もいる。睡眠リズムを整えるにはどぅすればいいのか。

「まず強調したいのが、適した就寝時間・起床時間は、ひとりひとり違うということです」。国立精神・神経医療研究センターの肥田昌子・精神生理機能研究室長は言う。それなのに普段は、仕事などの社会的な制約で起きなければならない時間は決まっている。「睡眠不足だけでなく、こうした『社会的時差』で、不調が起こります」

肥田室長は、まずは休日を含めて2週間分、就寝・起床時間を記録してみて、自分本来のリズムを知ることを勧める。特に働き盛りの大は、働く日と休日で、眠る時間が3〜4時間ずれることも。夜型の人の場合、土日は普段より寝坊したり夜更かししたりする一方、月曜は無理して早起きしていないだろうか。「これでは、土日にインドに行って月曜に日本に戻ってくるようなもので、つらいのは当たり前です」。

「時差」は、なるべく小さくしたい。休日も、午前から約束を入れるなど、起床時間を大きく狂わせないための動機を持つとよいという。

こうした「時差ボケ」や睡眠不足を解消するために効果的なのは、昼寝だ。午後2時までの30分以内がベストという。30分を超えると眠りが深くなるため。、起きた時に具合が悪くなり、夜の睡眠の質も落ちる。「昼食後、眠気が強まってきた頃にとることで、『時差ボケ』が軽減されます」と肥田室長。仕事中なら、机に突っ伏して寝るなどすれば深い眠りに陥らずに済む。

それでは、しっかり眠る環境づくりのポイントは。奈良女子大の久保博子教授(住居環境学)は、まず寝る前に部屋を間接照明明にして、寝る直前のテレビやスマートフォンは控えることを勧める。目に光が入ると覚髓してしまい、寝付きが悪くなるからだ。「夜中にトイレに行く時の明かりも、足元だけ照らすタイプがよいでしょう」

おすすめの寝具は「ふわふわして軽く、汗を吸いやすいもの」。寝返りを打てないほど、低反発のマットレスも、筋力の弱い女性や高齢者は寝返りが打ちにくくなるという。寝床の温度は32〜34度、湿度は54〜56%が理想というが、「パジャマや寝具にもよるので一概には言えず、自分の感覚を信じて。ただ、年齢を重ねると体温調節が苦手になるので、夏や冬はエアコンにも頼った方がいい」と久保教授。

要注意なのが、エアコンの使い方だ。例えば27度の設定にしても、室温を27度にするということなので、実際に吹き出し囗から出る風は15度ほどのことも。冷たい風が直接あたらないように気をつける。タイマーをかけると、切れたとたん室温が上がって目が覚めてしまうので、弱めにして一晩中つけておくこともすすめる。寝る前に手足が冷えていれば、お湯などで温める。

一方、シニアに多いのは、夜に何度も目が覚める、早朝に目が覚めてしまうIという悩みだ。「年齢が上がると、睡眠の質が悪くなるのは避けられないところです」と、国立精神・神経医療研究センターの肥田室長。早く起きすぎてつらい人は、寝室に遮光カーテンを引いて部屋が明るくなりにくいようにし、決めた時間まで布団の中で過ごしたり、逆に夜は寝たいと思う時間ぎりぎりまで部屋を明るくしたりしておく。朝よりも夕方に散歩することでリズムが改善できるという。

ただ、シニアに限らず、「眠れない」のはリズムが整わない状態とは異なる。「眠れないことに強い不安を感じる場合は不眠症が疑われるので、専門医に相談してください」と肥田室長は話す。(田渕紫織)



(出典:朝日新聞、2019/04/27)

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